「生き物の冬の過ごし方」
9月に生徒達と一緒に昆虫採集した所は草が枯れ虫の姿はなく、
枯草の中に卵を産み付けてないか探すと、
真綿に覆われたようなヨモギクキワタフシを見つける。
中にいるタマバエは寒さ知らずに過ごしているのだろう。
これを明日の体験学習の「生き物の冬の過ごし方」で皆に見せてあげようと持ち帰る。
そして今日は生徒達が、なりを潜めた虫達がどのように過ごしているか、保護者にもご参加いただき、ヒノキ林と隣接する広葉樹林で、枯れた木を割って、腐葉土をひっくり返し、腐植土をフルイにかけて虫を探す。簡単には見つからない。
どこかで悲鳴が上がっている何か見つけたようだ。
こちらも何か見つけないと。
生徒と根気よく何本かの広葉樹の枯れ木を割ると体長約5mmの黒いアリがゆっくり動いて群れていた。ヤスデ、ムカデ、名前が解らない体長5㎝ほどの薄茶色の幼虫など見つけ、他のグループもオオゴキブリの幼虫、キマワリをヒノキの枯れ木から見つけた。
楽しみにしていたおにぎりをいただいて、お祭り広場へ行き見つけた生き物を観察。
どの生き物も籠っていた所から引き出されて動きが鈍い。
ソヨゴに産み付けられた虫こぶの中には、ヤマブキ色の体長約1mmの幼虫が春に羽化しタマバエになるまでこの虫こぶで過ごす。
生徒達にとって動く生き物は興味が向くが、森の生き物はこれだけではない。
植物もある。ふわふわの綿毛で覆われたコブシの花芽、ネコヤナギ、それにネチネチと油成分を持ったヤシャブシの花芽、葉芽は幾重にも葉を重ねている。
このように寒さや乾燥から凌ぐにはいろいろと工夫を凝らしている。
人が作り出すことができない、自然の大きな営みを3回の自然体験学習を通して、生徒達は何を感じてくれたのだろう。
あの時の生き物をもう一度見たいと思って来てくれないだろうか。
また一緒に楽しみたい
最近までぐずついた天気も、当日は風も少なく、絶好のヤキイモ大会日和になりました。
43名の参加者と11名の育成会員でおまつり広場も手狭に感じられました。
今回は、4つのプログラムを用意しました。
1.樹木の伐採体験
2.木工クラフト
3.創造の森散策
4.やきいも作りと飯ごう炊さん
伐採体験グループは、「ヒノキ」林であらかじめ選定した「かかり木」になりにくい木を伐採しました。
女性3人、男性1人です。
伐り倒したヒノキはおおよそ径20cmでした。
伐採は人の性格が出るようで、ゆっくり伐る人、力を入れて懸命に伐る人、注意深く進める人など観察していると実に興味深いものです。
年輪約40年のヒノキが倒れたときは、その衝撃にビックリしますが、すぐに感動が湧いてきたようで一様に
「おお~」と感嘆の声が上がりました。
2~3本伐採できるかなと思っていましたが、1本だけでした。
40年懸命に生きてきた樹を倒して、自然の恵みに感謝しつつ整理して短い時間の伐採体験を終わりました。
本日の出来は、点数「85点」位かな?
上出来の部類です。
(しかし、参加人数少なく少々残念な気持ちでしたが)
木工クラフトグループは、創造の森で一番きれいに紅葉したもみじの木の下で、工作をしました。
今回は、①クリスマスリース ②ミニツリー ③うぐいす笛から好きな物を選んで作ってもらいました。
大人に混ざって子ども達も参加して、準備した材料を使って思い思いに飾っていきました。
材料はほとんどが、創造の森で作業した時に手に入れた物です。
お母さんやおじいちゃんの中には、子どもの事を忘れて夢中になる人もあり、お店で売れると思うくらい素敵な作品ができました。
竹笛の澄んだ音色と子ども達の明るくはしゃぐ声が、森の中に響き渡っていました。
森の散策グループは、19人の方が参加され、創造の森のメインストリートを1時間半くらい歩きました。小さい子もお父さんに手を引かれて、高い階段を上手に歩いてくれました。
季節的に花はなく、紅葉もほとんど終わった冬の森ですが、見通しが利き、清々しい森の雰囲気を味わっていただけたでしょうか。
また、地元の小学生や中学生たちがここを環境学習の場として利用している事や、整備活動をしたことで、明るくなった場所と、手を付けていない薄暗い場所の違いなど紹介しました。
そして、名塩和紙の原料のガンピの樹皮の強さを実演し、育成会が取り組んでいるガンピ畑でのガンピ栽培の様子も見ていただきました。
おまつり広場では、野外炊事でご飯を炊くことに2家族が挑戦していただきました。
飯ごうにお米と水を入れマッチではじめて火をつけた子ども達、薪をくべて飯ごうから湯気が出なくなったらふたを取って炊け具合を見る。
・・赤ちゃん泣いてもふた取るな・・と言われますが、お焦げばっかりのご飯にならないように頻繁にふたを開けて出来具合を見ました。
野外で食べたできあがりのおにぎりは格別美味しかったです。
とても楽しい、やきいも大会を無事に終えることができました。ご協力ありがとうございました。
森は、訪れるたびに違う顔を見せてくれます。また次の機会にも、お越しいただけることを、育成会一同お待ちしております。
秋晴れで、暑くもなく、寒くもなく、絶好の森の学習日和となりました。
今日は、ヒノキ林で「葉にはどんな形があるのかな?」と言う課題でいろんな形の「樹の葉」や「ツルの葉」などを集めました。
葉を探す間に、「珍しい」キノコや、「エビフライ」(松ぼっくりの中の種を食べるためリスやネズミが松笠をかじり取った後の形がエビフライに似ているのでこういう名前がついた)なども拾い集めました。
棚田に帰って決められたシートの上に貼り付け完成です。
その後、育成会会員から、おさらいも含めて樹、草などの器官の種類(葉、幹、根+花、種子)を確認しながら、葉の形は「周囲の環境の違いー太陽の光が強いか弱いか、水分が多いか少ないか、土は栄養豊富か貧しいか温度が高いか低いかなど」と、周りの競争相手との関係で、その樹が一番最適な「葉の形」で生きていることを知りました。
つまり、森の中の樹は自分で自由に移動出来ないため、芽生えた場所で環境、競争に左右されながら懸命に生きているのです。
このように人間を含めた動物、生物、微生物のエネルギー循環の中で、命の基になっている緑植物は大切にしなければならないことを再認識しました。
今日の学習課題は、育成会にとっても植物=樹の基本を確認する大変貴重なものとなりました(但し、小学3年生には少々難しい説明内容になってしましました。反省です)