「ナシオン創造の森」は、古くより西宮市北部地区の里山として利用されていた山林ですが、ニュータウン建設と共に放置林となっていました。住宅地に隣接する森を住民自身の手でお世話しようと2007年に当会が設立され18年が経過しました。
林内にはスギ、ヒノキの人工林、広葉樹林、草地、沢などの水場があり、それぞれの林分の植生に配慮しながら、「みどり豊かな森づくり」を目標に木を伐り、草を刈る活動を続けて参りました。
また地元の伝統産業の名塩和紙の原料であるガンピの育成のほか、森に学び、森を楽しむ様々な活動を行っており、最近では遠方から活動に参加する会員も増えています。
多くの方々が「ナシオン創造の森」に関心を持っていただき、一緒に森づくりを楽しめることを願っております。
2025年5月 新代表理事 濵ノ上史子
▶ 10月11日(土)9:00~12:00(定例活動) 棚田周辺の草刈り、ササ刈り(雨天時は10月13日)
▶ 10月25日(土)9:00~12:00(定例活動) 外周通り、中通りの園路整備(雨天時は10月27日)
▶ 11月 8日(土)9:00~12:00(定例活動) 外周通り、中通りの園路整備(雨天時は11月10日)
▶ 11月22日(土)9:00~12:00(定例活動) 外周通り、中通りの園路整備(雨天時は11月24日)
・活動に興味のある方は、ぜひ体験参加してみてください。
・予定は急に変更する事がありますので、参加(見学)ご希望の方は必ず「お問い合わせフォーム」より連絡をしてからお越しください。
・道具類はお貸しできます。長そで長ズボン着用の上、軍手、飲物、タオルをお持ちください。
緑豊かな共生の森【ナシオン創造の森】を人と馬の力で生き物の賑わい広場に!
プログラム
9:30~ 受付開始
10:00~ オリエンテーション&手のこ伐採体験
11:30~ 馬搬実演
12:15~ 昼休憩
13:00~ ヒノキのベンチ作り
14:00~ ねぎらいタイム
15:00~ 解散
住宅地に隣接するかつての里山で、森林の保全と利活用をうまく循環させていきたいとの願いから、新たな試みとして開催にチャレンジ。森が大好きな人と馬が一緒になって、休眠中の棚田にヒノキのベンチを設置。新たな集いのひろばにしました。
そのハイライトをご覧ください。
イベント開催は多くの関係者の多大な尽力とクラウドファンディングの支援金によって実現しました。
定例活動 2025.10.11
4名が手刈りのカマ部隊、2ペア4名が刈払機部隊となって、森の入口から川沿いに前回刈った場所からの園道、棚田と棚田周辺の草を刈りました。
刈払機部隊は、森での使用経験の浅い会員は刈払機の燃料の作り方と整備もていねいに実習しました。安全に楽しく活動でき、園道から棚田まで、とてもきれいになりました。
森で初めて刈払機を使った会員は「とにかく基本を大切に9~12時の方向の刃を使うこと、常に右足を半歩前にを心がけました。道具は事前の準備、後の手入れに時間がかかりますがその大切さを実感。刈りながら、一瞬で倒れて行く草たちに少し申し訳なく思いながら、その根っこがまた森の豊かな土を作ってくれることを不思議に思いました」
8人参加し、4人ずつ、森の入口から続くドンジリ通りの草刈りと、森の中央あたりのヒノキ林での伐採に分かれました。
草刈り班は、背が高く茎も太くなった草、生長力旺盛な蔓植物、コンクリートのちょっとした継ぎ目からものすごい勢いで伸びてきたアカメガシワを刈り、ドンジリ川沿いがスッキリと清々しくなりました。
作業中、少しレア感のある虫、タイワントビナナフシを発見。タイワンとついていますが在来種らしく、主に西日本に生息するそうです。作業を終えて道具の手入れに帰ろうとする会員の頭に登ってきて、名残惜しそう?でしたが、茂みに放すと、良い場所が見つかったのでしょう。じいっとして枯れ枝のようになりました。
創造の森の草地で、東山台小学校3年生約60名が昆虫採集を行いました。育成会会員9名、ご協力いただいた保護者の方々は15名でした。
当日の朝は曇りで涼しく、まさに昆虫採集日和。育成会の案内で草地まで森の中を少し山登り。日差しが少ないせいで虫の出現数に不安がありましたが、採取地に着く頃には日差しが差し込み、蝶の姿も見られるようになりました。子どもたちはナミアゲハやツマグロヒョウモン、オオカマキリ、ショウリョウバッタ、ツチイナゴ、マユタテアカネ、リスアカネなど、たくさんの昆虫を次々と発見し、大きな歓声をあげていました。保護者の方々や育成会のメンバーも童心に帰り、夢中になって虫を追いかける姿が見られました。採集した虫たちは育成会のメンバーが説明をしながら、一旦透明の容器に入れ名前を貼って全員に回して観察。帰るときにみんなで元の草地に返しました。
毎月第三水曜日に行われる月イチ観察会。今月は会員のみによる、年に一度創造の森で行われる昆虫観察会を行いました。毎年同じ場所で昆虫の生息状況を調べることで、森の変化に気づく機会にもなると考えています。
今回の状況で見てみると、概ね昨年と変わらない種類の虫たちが観察できましたが、長い夏のせいか、秋の虫たちがやや出遅れている印象を受けました。そして、気になるのが、外来種のチュウゴクアミガサハゴロモがかなりの数確認されていることです。それによっての在来種の影響まではまだ感じられませんが、今後も観察を続ける必要がありそうです。
来週には地元の小学3年生の、第2回目の自然体験学習があり、この草地で昆虫採集をします。私たちが見つけられなかった虫を、きっと見つけてくれることと思います。
定例活動(草刈り)2025.9.13
9月第1回目の定例活動は草刈りです。今月は15区(草地)で会員による毎年恒例の昆虫観察会を行ったり、東山台小学校3年生が昆虫の学習のために森を訪れるので、その際に支障のないようにと、作業を進めました。
9人のメンバーが参加し、3か所に分かれて活動しました。ドンジリ通りの草刈り、15区(草地)までの園路の草刈り、そしてその周辺の枯れマツや倒木の処理、とチームワーク良く効率的に作業を進め、午前中の活動でほぼ目的を達成できました。
今日の定例活動では、展望台から杉林までの北通りの草刈りをしました。
陽当たりの良い堰堤の法面に茂っていたススキやイバラなどが園路に張り出し、歩きづらくなっていましたが、スッキリきれいになりました。酷暑とは言え、林内の木陰は暑さもマシですし、元気に飛び交うチョウやトンボに励まされながら、10人ほどの会員が楽しく作業を進めました。
8月は活動はお休みします。9月にはまた草刈りからのスタートとなりますが、会員の昆虫観察会や小学生の自然体験活動などが安全に実施できるように頑張ります。
年に一度、安全講習会として、ふだんの定例活動で行っている伐採作業の安全の再確認や認識を行う場を設けています。
連日異例な猛暑の中、今年は参加者に自ら考えてもらうことに重きを置いて実施しました。
12人が参加し、育成会独自の安全マニュアルを読み合わせた後、創造の森のいちばん奥まったところ、少し高い斜面にあるガンピの林付近の作業場所まで移動しました。
普段の定例活動の伐採作業を2人1組になって行う形をとり、作業前に各自で危険予知をおこない、何が危険でどのような対策をとるのかを考えて、2人の意見をまとめて危険予知活動票に記入しました。
本日の参加者は12人で、前回に引き続き、ガンピの林の手入れを行いました。
6月というのに近畿地方の梅雨明け発表があり、世間は熱中症に戦々恐々ですが、森の中では時おり涼やかな風が吹き、ほっとさせてくれました。
花の時期が終わったガンピはしっかり育っており、和紙原料としての収穫に適した親指くらいの太さものが何本も見られました。特に日当たりの良い場所は生育が良いので、やはり陰を作る木の除去は重要です。ただし適度な日陰は残す用に気を配りながら、ソヨゴやエゴノキを伐採したり、樹皮を傷つけるトゲを持つニガイチゴ、サルトリイバラ、イヌツゲなどを刈り取りました。2時間ほどの作業で、爽やかなガンピの林の出来上がりです。
会の活動の一つとして生き物調査と植生調査を長らく続けてきた「三木会(さんもくかい)」が2024年度で終了しました。その趣旨を引き継ぐ活動として、「学ぶ会」の中で「ツキイチ観察会」を2025年4月からスタートさせました。
林内2カ所に10m四方の植生調査区を設置し、年に一度調査をしていく予定です。一つ目の調査区であるヒノキ坂で作業をしました。現在は、大きなコナラの下にコバノミツバツツジの株立ちがたくさん育っていて ”創造の森らしい” 広葉樹林ですが、今後はどのように遷移していくのでしょうか。実際の調査は秋に行います。
本日参加の6人はみんな生き物好き。草地にも行ってみました。
定例活動日の土曜が雨天だったため、本日、月曜に7名で活動を行いました。
チェーンソー班は男性3名。杉林上の枯れマツ4本を処理しました。この場所は今後も次々倒木が出現しそうです。
女性4名はガンピの林でツル、トゲ植物の除去と常緑樹の除伐を行い、半分ほどが完了し、ガンピに光がよくあたるようになりました。残りの半分の手入れは次回になります。
ガンピは、エゴノキ、コツクバネウツギ、リョウブ、ミヤマガマズミなどの落葉樹と一緒に所狭しと育っており、根からの萌芽も多く見られました。
環境省は全国で500か所の「生物多様性保全上重要な里地里山」を選定しましたが、ナシオン創造の森がその一つに選定されました。
西宮市のHPでも紹介されています。
育成会結成から10年目にこのような里山に選ばれたことを光栄に思っています。
これからも整備作業に励み、ナシオン創造の森が次世代に受けつがれるよう頑張って参りたいと思っています。