研究材料としてガンピを採取 2026.5.12

植物の組織の研究をされている京都大学の先生が、ガンピの組織の分析をされるという事で、創造の森のガンピを数本使われることになりました。

 

お約束の時間には、優しそうな先生と研究室の3人の学生さん、そして和紙原料の研究もされている東京文化財研究所の方が来られました。育成会も研究者の話に興味津々の者が集まりました。 

 

「実は山に生えているガンピの姿を見たことがないんですよ」と言われる先生に、園路沿いに生えている自生のものや、森の中で一番太い木を紹介しながらガンピの林に向かいました。名塩のガンピはとても樹皮に艶があって綺麗だと評価していただき、嬉しかったです。

 

私たちが栽培しているガンピの林には500本近いガンピの木がありますが、どういう木を選ばれるのか見ていると、なるべくよく似た環境で育った個体、そしてできるだけ真っすぐに伸びているものが良いとのこと。なぜなら斜面で育った木には「アテ」(真っ直ぐに立とうと自らを支える過程で生じる、繊維が異常に発達した箇所のこと)ができてしまい、樹皮が均一ではなくなるそうです。試しに曲がった幹を切ってみると細いものでもアテの部分が黒くなっていることを知りました。また、太めの樹の断面を使って木の構造を説明していただきました。形成層がグレーの色ではっきり分かり、その外側が繊維の詰まった樹皮ですが和紙の原料になる木は樹皮の割合が多いらしいです。そしてガンピにはリグニン(植物の細胞壁を硬く強くする成分)がほとんど含まれていないことが、長期の保存に適している理由の一つとのこと。パルプでは薬品を使ってリグニンを除去しなければいけないので劣化が早いのだそうです。

 

念入りに選ばれたガンピの樹を使ってどんな分析をされるのでしょう。樹木としてのガンピの特性を学ぶことができ、大変良い機会になりました。